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AJC(全国学習塾協同組合)森貞孝理事長の最新教育情報 第76回

2023-12-01

今後数年が難しい、塾の立場の舵取り

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世界の各地でいろいろな紛争が多発している。例えば今一番話題になってニュースで毎回取り上げられているのが、イスラエルとパレスチナの問題だ。中東とアフリカではこのほかにいくつも長い間続いている紛争が多く、ロシアのウクライナ侵攻などは全体から見れば大したことはないのだろう。アフガニスタンの問題などは間もなく50年になろうとしているのだ。
IT技術が急速に発達して、地球の裏側で起こったことが、瞬時に画像がついて伝わり、戦争も無人機やドローンが数百キロ先の基地や市街地を攻撃する時代は、すべてが一昔前のものの考え方で処理できないのかもしれない。
教育の世界でも同じことが言える。第二次大戦後日本は教育立国として、大きな力を注いできた。しかしその努力がGDPを世界第二の経済大国に押し上げたあと、現在少子化が進んでいろいろな面で問題が生じている。単純にいじめや学級崩壊、不登校という問題だけでなく、長い間続いてきた文科省の教育の外側から、世界の先端技術の激しい波が襲いかかっている。ようやく今年から「情報Ⅰ」という授業が高校で行われ始めたが、授業の内容は現在の最先端の動きには及ばないような基本的なものだ。メタバースや生成AIなどで火花を散らす現実とは乖離が大きく広がっている。
学習塾の指導は、本来学校での学びの補足であり、受験対策であり、落ちこぼれの救済であったかもしれない。
タブレットこそ全部の生徒が持つようになって先端の技術革新の入口まで辿り着いたかもしれないが、躍動する動きになっていない。現実離れしたものが次々に目の前に現れても、なんとなく受け止めている。シンギュラリティというAIが人の能力を上回る時代が近付きつつあるのだ。
日本人は大学卒業後の学びが少ないという。リカレント教育、リスキリング教育といわれる社会人になってからの学習に意欲を見せない。25歳以上の学習が5%と世界でも大変低い数字になっている。
世界のコンピュータ技術者2257万人の中で日本は第4位の122万人いるという。今生成AIが始まってアメリカや北ヨーロッパなどでは大騒ぎで取り組んでいる。10年後には日本はIT関連技術者がそれらの国々にはるかに遅れをとるのではないかといわれている。そして政府はリスキリング教育、つまり現在のIT技術者がスキルを磨き直して、最先端の技術者とするような教育に乗り出している。
しかし反応は鈍いようだ。日本は諸外国と違って終身雇用かつ年功序列であらゆる分野の内容を把握して、徐々に地位を上げていく、いわゆる世界で有名な日本型雇用が圧倒的に多い。専門技術で採用され、その技術を磨く海外の国の雇用の仕方とは違う。せっかく新しい技術を学んでも配置転換で学んだ技術を活かせない職場に回されてしまう。最近少しずつ仕事の内容で中途採用の企業が増えてきたが、まだ少ない。
さてこのような日本の現状をどのように変えていったらいいのだろうか。また、学習塾は学校教育の補完の立場でIT技術と無縁の状態で進んでいくべきか、何らかの形で将来の日本を背負って立つ素晴らしい技術者を育てるための基本的な教育にも積極的に乗り出していくべきなのか。ここ数年が塾の立場の舵取りが難しいところだ。


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