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2023年秋 ウイングネットセミナー
ビジョン達成のための“価値創造”

2023-12-01

原理原則=人に則ったこと、時流に応じたことにおいて、必要なアップデートは正確にすべてやり、教育における未来の課題を解決していく

(株)ウイングネット 代表取締役社長 荻原俊平氏

(株)ウイングネット
代表取締役社長 荻原俊平氏

11月5日(日)、株式会社ウイングネット(荻原俊平代表取締役社長、東京都文京区)主催によるセミナーが品川フロントビル(東京都港区)で開催された。まず、株式会社市進ホールディングス(千葉県市川市)代表取締役会長の下屋俊裕氏が講演。その後、パネル&グループディスカッションへ。最後にウイングネット本部長の田中聖氏が講演し、ウイングネットからの提案を行った。

開会の挨拶
(株)ウイングネット 常務取締役 平塚正樹 氏

AIの可能性を追求することがウイングネットの使命

(株)ウイングネット 常務取締役 平塚正樹氏

(株)ウイングネット
常務取締役 平塚正樹氏

「本日はウイングネットセミナーにお越しいただきまして、まことにありがとうございます」
平塚氏は来場者に感謝の気持ちを述べたあと、次のように語った。
社会全体で大きな変革の時代となっています。その変革は、私たちが新たな価値を創造するためのステップだと思います。そのステップは、決して易しいものではありません。私たちは多くの課題に直面しています。そのひとつは大学入試改革です。特に注目すべきは、学校推薦型選抜、総合型選抜の増加です。国公立大学でも半数はこれらを導入し、一般選抜が限られた生徒のための入試になるのではないかと思われます。
もう一つの課題が少子化です。これが人材不足を招き、教育の質を低下させる恐れも出てきます。この2つを解決するのがAIです。AIの活用によって生徒一人ひとりに最適化された新しい学びや学習体験を提供することが可能になり、教育の質の向上や効率を図ることができると思います。そして、このAIの可能性を追求することが、私どもウイングネットの使命だと考えています。
このセミナーはAIを活用した教育の未来について皆様とともに考える場です。皆様の知識と経験、創造力が集結することで、私たち教育に携わる者は新しい価値を生み出せるのではないかと考えています。今日一日、皆様が新しい視点を得られることを願うとともに、教育界にとって新たな価値創造の一歩になることを期待しております。

基調講演
(株)市進ホールディングス 代表取締役会長 下屋俊裕 氏
「今後求められる民間教育2024」

低学年からの積み上げが勝ち残る鍵となる

(株)市進ホールディングス 代表取締役会長 下屋俊裕氏

(株)市進ホールディングス
代表取締役会長 下屋俊裕氏

今年2023年の人口は1億2500万人ほどで、2009年から14年連続して減り続けています。2055年には1億人を切るともいわれています。これから先、少子化がますます進んでいきます。また、高齢化によって働き手が減っていきます。こうした厳しい状況の中で、私たちは子どもたちを教育していかなければなりません。
下屋氏は、将来の日本の人口予測や首都圏の人口動態などが示された資料を紹介しながらこのように語った。
子どもたちの数が減っていく中で、塾はどのように対応していけばよいのでしょうか。例えば、弊社のグループ会社であり、個別指導塾「個太郎塾」などを運営する(株)個学舎では、コロナ禍においても健闘を見せていました。その背景には数年前から低学年である小学1・2・3年生に速読などの教材を使い、勉強への興味を抱かせ、小学4・5・6年生になるまでの通塾につなげてきたことがあります。低学年の数は少なくても、こうして手厚く指導することで、高学年の生徒数が安定してくるのです。
また、市進教育グループでは小学校低学年専門のオンライン講座『パンセフロンティエル』を開講し、それなりの生徒数を集めています。生徒数の比率は小3が3、小2が2、小1が1と学年通りになっています。
市進教育グループでは低学年の生徒ほどオンラインが有効と考えています。対面の場合、低学年ほど保護者の方々がお子さんを塾に送り迎えしなければなりませんが、オンラインならその必要がないためです。さらに保護者の方々は、お子さんがどんな勉強をしているかを背後から見ることもできます。もし、教材が保護者の方々にとって納得できるもので、その気持ちを一度つかんでしまえば、塾に対する信頼感を獲得でき、高学年までつなげることができるのです。低学年の生徒数がわずかであっても、その積み上げを丁寧に行うことで、これから先、塾が勝ち残っていけると思います。

生徒一人ひとりの性格を把握した上での声がけを

会場の様子

会場の様子

少子化以上に深刻なのは働き手の減少です。地方では学校の統廃合が進み、遠くまで生徒が通わなければならなくなっています。その生徒を運ぶバスの運転手まで不足しているのが現状です。
そこで、オンライン授業をはじめとするICTが威力を発揮するわけです。しかし、すぐに全面的にオンラインに切り替えるのは難しいので、段階を経て導入していきましょう。
例えば、50人から70人の教室を1人の教室長と3人の時間講師で回していたとします。これを1人の教室長と1人の時間講師で回し、数学・算数や英語は対面で行い、残りはオンラインや映像授業に切り替えることが考えられます。すべての授業をオンラインで行わず、対面の授業も行うことが重要です。人と人との触れ合いが子どもたちには必要だからです。言うまでもなく、子どもはAIに褒めてもらうよりも、人間に褒めてもらうほうが喜びを得られます。先生の生きた言葉が子どもたちの心に響くのです。
かつては1つの教室に300人や500人が通うことが当たり前だった時代もありました。今は100人を切る教室も普通にあります。生徒数が減った分、教室長など教室の責任者の方々は生徒全員の名前を覚えてほしいと思います。授業の一部をオンライン化している塾では、責任者の方々の声のかけ方がより重要になってきます。子どもたちを伸ばす、あるいは子どもたちのやる気を引き出すには、その子の成績や性格をよく把握した上での声がけが必要なのです。
地方の人口が減る一方、東京の人口は増えています。しかし、東京は子どもの数が多いので、生徒も多く集まるという考え方は少し違うと思います。
私は市進教育グループが運営する塾の運営責任者に「より地元を大切にしてください」と繰り返し語っています。学校数が限られていますから、そこに通う生徒たちを大切にしていくことが重要です。生徒が通う学校から通いやすい塾であることが生徒を集めるための絶対条件になります。
先ほど私は低学年からの積み上げが重要だと述べました。少子化の今、多くの家庭ではお子さんが1~2人です。そんな家庭では1人のお子さんにたっぷりと愛情を注ぎます。これだけ景気が悪くても教育にはお金をかけます。お子さんの成績を少しでも伸ばしたいという気持ちから塾に通わせようとするのです。その気持ちに応えるためにも、生徒一人ひとりの性格を把握した上での先生方の声がけが重要になります。ですから、低学年の生徒と地元を大切にしてほしいと思います。
また、これからはAIが24時間にわたって生徒や保護者の質問に答えたり、相談に応じたりする時代になります。しかし、生徒の性格は千差万別です。同じ言葉をかけても反発する生徒もいれば、意欲を高める生徒もいます。この生徒にどのような声をかければ、元気づけることができるのか。それはその生徒の成長を見守り続け、性格を熟知した講師にしかわからないことです。
講師が不足する時代をオンラインでカバーしながら、AIにはできない声がけで、低学年から高学年へ、さらには小6から中1へ、中3から高1への通塾につなげてほしいと思います。

パネル&グループディスカッション
「現在の課題を解決し未来展望を語り合う」

元衆議院議員 元文部科学大臣政務官 DXエンジニア  村井宗明 氏
Manabie CEO 本間拓也 氏 
(株)明倫ゼミナール 高校部総責任者 松田直丈 氏
(株)市進東京 統括本部本部長 田中麻沙技 氏
ファシリテーター
 (株)ウイングネット 本部長代理 飯嶋洋平 氏
司会進行
 (株)塾と教育社 代表取締役社長 加藤麻由美

教育用のChatGPTも生まれている

[左上] Manabie CEO 本間拓也氏 [右上] 元衆議院議員 元文部科学大臣政務官 DXエンジニア 村井宗明氏 [左下] (株)市進東京 統括本部本部長 田中麻沙技氏 [右下] (株)明倫ゼミナール 高校部総責任者 松田直丈氏

[左上] Manabie
CEO 本間拓也氏
[右上] 元衆議院議員 元文部科学大臣政務官
DXエンジニア 村井宗明氏
[左下] (株)市進東京
統括本部本部長 田中麻沙技氏
[右下] (株)明倫ゼミナール
高校部総責任者 松田直丈氏

4名のパネラーが登壇して、パネル&グループディスカッションが行われた(以下、敬称略)。
飯嶋 社員教育や業務効率に関してこれから先、どのようなことが課題になってくるかを、今教育現場を統括されている松田さんと田中さんにお聞きしたいと思います。
松田 やはり、生徒を指導する講師を確保すること、また、指導に関してマニュアル化しづらいことが課題となっています。
田中 高校の新課程には「情報」や「公共」といった科目があります。私自身どちらも習っていません。これらの科目をどのように教えればいいのかという課題があります。また、ベテランの講師たちが年齢を重ねて、長時間教壇に立つことが辛くなってきた今、教職員の雇用枠をどうやって創出したらいいのかという課題もあります。
飯嶋 こうした課題を解決するために生成AIの活用が望まれています。この生成AIが今どこまで進化しているのか、どういった使われ方をしているのか。その最前線に立つ本間さんと村井さんにお聞きしたいと思います。
本間 例えばインドでは、少子化が進む日本とは大きく違い、小学生が約1億3000万人もいます。先日、私はインドに視察に行き、あちこちに数多くの学習塾があるのを目にしました。今、インドは日本とほぼ同じ一兆円市場の学習塾産業があり、9年後には10兆円の超巨大市場になると予想されています。しかし、子どもの数が多すぎるために先生が不足し、生成AIを活用せざるを得ない状況にあります。そこで、子どもたちはスマホを傍らに置いて、ChatGPTを使いながら勉強しています。先生に質問できないので、ChatGPTに聞くわけです。これが当たり前の光景になっています。インドネシアやベトナムをはじめとする東南アジアでも、生成AIが大きなインパクトを持って受け入れられています。

パネル&グループディスカッションの様子

パネル&グループディスカッションの様子

村井 ChatGPTには、専門学習した高機能なChatGPTと、初期状態で全く学習していないChatGPTの2タイプがあります。ここにおいでの皆さまが使ったことがあるのは、後者のChatGPTでしょう。
現在、専門学習したChatGPTが次々に誕生しています。公務員業務専用のものや農業関係者向け、観光用、プレスリリース専用などです。これらは専門的な要素だけを徹底的に学習させているので正確です。その反面、公務員業務専用AIに行政以外のことを、農業関係者向けAIに農業以外のことを聞いても納得のいく答えは得られません。
教育用のChatGPTも生まれています。東京都教育委員会では保護者相談用生成AI、また田園調布大学子ども未来学部では生徒からの質問対応生成AIなどです。

生成AIが人の気持ちに寄り添えるのか

[左] (株)ウイングネット 本部長 田中聖氏 [右] (株)ウイングネット 本部長代理 飯嶋洋平氏

[左] (株)ウイングネット
本部長 田中聖氏
[右] (株)ウイングネット
本部長代理 飯嶋洋平氏

飯嶋 では、ChatGPTをはじめとする生成AIに塾として期待することや疑問などを松田さんと田中さんにお聞きしたいと思います。
松田 保護者との面談では、生徒一人ひとりの成績や学習状況を把握した上でアドバイスをしなければなりません。業務の中でも、こうした作業に多くの時間を割かれているので、そのサポートを生成AIが担ってくれることに期待をしています。
村井 AIには弱点もあります。例えば保護者相談AIは365日24時間、保護者の悩みに正確に答えられるのですが、相手を心から満足させることはできません。相談する保護者の多くは正確な答えを知りたいのではなく、じっくりと話を聞いてほしいからです。保護者も生徒と同じく、生きた人間の温かな声がけがほしいのです。
本間 音声で答えるアバター式のAI先生による英語学習にも同じことがいえます。AI先生はいつでも質問に答えてくれます。生徒にとって質問する恥ずかしさもありません。しかし、一方で英語学習に体温が感じられるコミュニケーションを求めている生徒もいます。こうした気持ちを尊重することも大切です。保護者に関しても同じで、最初に「AIが回答します」と説明して期待値を下げておくことが得策だと思います。
田中 私は生徒の小論文を持ち帰って、夜中に家で添削することが多いので、生成AIに大いに期待しています。
その一方で疑問もあります。最近、薬学部を目指す生徒二人の小論文を添削しました。一人は「Society5.0の時代に少子高齢化で生活習慣病が増えていくので薬学が重要だから薬学部に入りたい」とデータも参考にしてロジカルに書いていました。もう一人は「叔母をガンで亡くしたので抗がん剤の新薬を薬学部に入って開発したい」とあまり上手ではない文章で書いていました。私は後者の生徒の小論文を読んで涙が出そうになりました。私が教授なら後者を合格させます。しかし、AIはどう判断するでしょうか。生徒の合格発表の時間が夜中であっても、AIに任せるのではなく、私は生徒と一緒に泣きたいですね。

[ウイングネットからの提案]
(株)ウイングネット 本部長 田中聖 氏
〝価値創造〟実現に向けて〜変わる教育環境と求められる学びに向けて〜

ウイングネットのコンテンツをすべて刷新

(株)ウイングネット 本部長 田中聖氏は「『新課程入試』への対応と学び」と題して講演した。まず、共通テストにおける国語の「実用的な文章」の試作問題や地歴・公民の科目の組み合わせなどを紹介。どの問題にも「大量の情報から、解答に必要な要素を素早く検索する力が求められている」と述べた。
そして、これらの入試に対応するために、全部で3万以上あるウイングネットのコンテンツを今年から来年にかけてすべて刷新。瞬時に映像が再生されるフルハイビジョンに変えるという。
また、生徒の自立学習を促すために新機能「生徒のマイページ」を設けると発表。これにはコミュニケーション機能や志望校・受験校管理機能や個人成績記録機能が付加されている。
さらにウイングネットでは「公務員試験対策講座」も開講する予定だ。大学生の時間講師に勧めたり、時間講師の募集に活用することで、講師不足への対応ともなる。これも新たな価値の創造だ。

原理原則を忘れず、必要なアップデートは正確にすべてやっていく

最後に(株)ウイングネット代表取締役社長 荻原俊平氏より閉会の挨拶があった。
「コロナの影響は大きく、止まったもの、進んだものがあった。しかし変わらないのは人と人の成長プロセスです。ヒトモノカネ情報といいますが、ヒトの問題は少子化と講師不足、カネの問題は値上げや賃上げや物価変動の恒常化、つまり可能性として大きいのはモノと情報をコントロールして成果を出し続ける仕組みを構築すること。それがヒトのエンパワーメントを実現する。そこへはAIの面目躍如もあるでしょう。
今後あらゆることにおいて不可避な変動が予測される中、塾経営、運営においては安全性、収益性、将来性の担保が求められます。そういった状況において、ウイングネット社は①原理原則に則ったこと、つまり人の変化への対応をひたすら丁寧にやること、②時流に乗ったこと、つまり新課程、新時代への対応をすべてやること、③自社にしかできないこと、つまり世の中に必要なことはアップデートを含めきちんと正確にやること、この3つを皆さまにお約束します」と今後に向けての強い決意を表明し、会を締めくくった。


ウイングネット


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