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NEA主催 2023オープンセミナー
やる気スイッチグループが目指す教育業界としての進化

2024-01-05

一般社団法人教育アライアンスネットワーク(NEA)代表理事で株式会社SRJ代表取締役 堀川直人氏の挨拶で始まった本セミナー。第一部は株式会社やる気スイッチグループホールディングス代表取締役社長 高橋直司氏による中長期的に目指す教育企業としてのビジョンや、どう業界として進化していくべきかという視点を、話題となった大手メディアとの融合も含め新しい教育のあり方をどのように創造していくかを講演。第二部では、株式会社Lacicu代表取締役 服部悠太氏も迎え、パネルディスカッション形式でより深掘りした話が進んだ。
ここでは、高橋直司氏の講演の要約を紹介する。

[第一部]
やる気スイッチグループが目指す今後の教育業界としての進化
株式会社やる気スイッチグループホールディングス 代表取締役社長 高橋直司 氏

中長期的に目指す教育企業としてのビジョン

やる気スイッチグループ(以下、やる気スイッチ)は、6月29日にTBSホールディングスにグループ入りしました。昨年東証の本則市場への上場を申請していましたが、市況を省みて延期しました。結果として単体としての上場より、TBS傘下に入った方が会社としての伸びしろや社員が安心して働けると考えました。
やる気スイッチは創業者が立ち上げ、現在51年が経ちました。個別指導塾からプログラミングまで約3000教場を展開しており、延べ13万人の子どもたちがやる気スイッチに通っております。
おかげさまでやる気スイッチが、「日経MJサービス業調査」の学習塾・予備校部門の売上高ランキングで3年連続第1位を獲得しました。実は学習塾予備校市場は成長しています。コロナ直撃の2021年の市場成長性は落ちてマイナス3・3%でしたが、私が知る限りもう15、6年ずっと4~5%で成長し続け、まだ可能性のある業界であると思っております。顧客満足面では個別指導塾スクールIEがオリコン顧客満足度ランキングで6年連続3冠、個別指導塾で唯一の4冠を獲得しました。またプログラミング教育 HALLOが子ども向けプログラミング教室第2位を獲得しております。
やる気スイッチは「スクールIE」「ウィンビー」「チャイルド・アイズ」「キッズデュオ」「忍者ナイン」「キッズデュオインターナショナル」「アイキッズスター」「プログラミング教育 HALLO」といった8つの教育FCパッケージを持っていることが強みです。大事にしてきたことは、未来に向けて子どもたちに必要なことを考えることです。私たちの想いは子どもたちの持つ、宝石のようにキラキラ輝く才能を見つけて伸ばし、成功体験を積ませて、自分力を育むことです。

TBSをはじめとするやる気スイッチのアライアンスネットワーク

(株)やる気スイッチグループホールディングス 高橋直司 代表取締役社長

(株)やる気スイッチグループホールディングス 高橋直司 代表取締役社長

やる気スイッチでは、様々なアライアンスを組んでおります。今、教育ビジネスは注目を浴びています。学校の先生と塾予備校の先生、どちらにお世話になったかを聞くと、60代以上の方は学校にお世話になった人が多く、50代になると塾予備校を挙げる人が多いです。40代になると、圧倒的に塾予備校になります。塾予備校は社会貢献性が高いビジネスであり、教育をやりたい企業は多いと感じています。グループ入りしたTBSもそうです。
現在資本提携では、北米や東南アジアで知名度が高いサンリオとは知育玩具や、新しい教育教材の開発、名古屋鉄道とは保育施設の展開、野村不動産とはマンションでの幼児施設の併設や海外展開の可能性を探っております。
学研と共同設立したJV(ジョイントベンチャー)では、AIを活用した個別最適化学習システムやウイングネットのスクールIEでの展開。トヨタ自動車の自動運転開発に携わっていたプリファードネットワークスとはプログラミング教室の教育展開。
そしてTBSとはメディアやテレビ局ネットワークとの連携。
TBSの佐々木社長は真剣に教育をやろうとしています。TBS入りでいろいろなプロジェクトが動いており、両社のブランドを掛け合わせたコラボコンテンツなども企画検討しております。TBSグループは、時代を超えて世界の人々に愛されるコンテンツとサービスを創りだし、多様な価値観が尊重され、希望にあふれる社会の実現に貢献することを目指しており、この価値観はやる気スイッチと同じです。これが、やる気スイッチがTBSグループ入りした一番の理由でもあります。TBSと共に、新しい時代に合った教育コンテンツを一緒に作っていきたいと思っております。

今後どう業界として進化していくべきか。そして新しい教育のあり方の創造をする

数十年に一度の大変化の最中、大きな事業機会が顕在化しており、新しいニーズが出てきています。1993年は1973年と比較して子どもの数は半減していますが、授業料単価は倍以上といわれており、通塾率も高まっております。英会話、プログラミング、保育のニーズがあり、教育市場として伸びている状況にあります。Society5.0の時代になり、思考力が必要とされています。塾も変わらなければなりません。今の子どもたちは、SDGsのような新しい価値観の教育を学校で受けています。またVUCAと言われる不確実で複雑で曖昧な時代に、世界的に入ってきています。だからこそ時代のニーズに合った教育を、どのように提供していけるかが大事になっていると思います。曳かれたレールがない、どこへ行くかも自分で決めなくてはならない将来。それができる子どもを育てたいです。

社員一人ひとりが主役。経営者として大切にしていること

社長として第二創業期に、組織軸からも様々な取り組みをしてきました。エリア戦略プロジェクト、経営管理プロジェクト、リフレッシュ休暇、モチベーションサーベイ導入、そしてレモネードスタンド研修。この研修はとても面白く、実際に新卒の新入社員にレモネードスタンドを経営してもらいます。レモネードを買ってきてお店を作って、自分たちでプロモーションして接客してレモネードを売る。サービスの本質を知ってもらうことがこの研修の目的です。また新卒や若手の活躍に焦点を当てたナレッジ&ソウルコンテスト、チームビルディングアワードではリーダーシップとフォロワーシップをテーマに組織の活性化を進めてきました。
私たちの売上は、お客さんの授業料以外何もありません。常に社会に対して、新たな付加価値を与える商品を創造していきたいです。いただいているお金以上の付加価値を考えた中で、新規事業やコンテンツ開発をしていくことが大事だと考えています。オーナーシップを持ったうえで経験すると、人は成長すると強く実感しています。リスクはあるかもしれませんが、このような中で人を育て組織文化を作っていきたいと思っています。
社会問題は、人間自身が作っています。結果として、人間が変わらないと根本的な解決はできません。その人間を変えるのは何かといったら、やはり教育になります。やる気スイッチは、第三創業期に入りました。様々な方々と手を組んで日本の教育業界を盛り上げていけたらと思います。

※ NEAでは、正会員を対象にしたオンライン学習会を定期的に開催しています。


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