教育資源としての民間教育 第73回
公益社団法人 全国学習塾協会 安藤 大作 会長
学習塾・民間教育を守るために活動することの意義
社会教育の環境づくり
学習塾・民間教育はこれまで通り、国も行政も関係なく規制を受けずに自由に営業していくのだという姿勢はもちろん大切ですが、一方で国も行政も関係ないという点において従来とは変化してきており、国や行政に対してある一定の強い声を持ちつつ、社会資源として、さらに発展していくべき時を迎えています。
こうした状況を鑑みたとき、全国学習塾協会の果たす役割は非常に重要なものになってきます。全国学習塾協会は、この国の教育に力を尽くす塾のため、そして未来を創る子どもたちのための社会教育の環境づくりのために存在しています。
例として、全国規模の塾団体と包括連携した全国塾コンソーシアム、各種民間教育の全国団体(ピアノ、英会話、スイミング、剣道、検定、スポーツクラブ等々)に声をかけて日本民間教育協議会を設立しました。そして民間教育振興のための国会議員連盟の設立に働きかけ、今あるべき社会教育の環境づくりへの要望を重ねています。
教育バウチャー制度の充実・促進
多様な家庭環境、また多様な子どもたちそれぞれに添った学びの機会を担保するには、公教育だけではカバーしきれない現状があると考えます。現在我が国では、公教育現場の切迫に伴い、多様な子どもたちに合った教育が担保されているとは言い難い状況です。不登校児童生徒さらには自殺する子どもたちの増加など問題は山積している状況にあります。
公教育だけではカバーしきれないケースがあふれており、そのセーフティネットとしてまた個々の可能性をより拓く機会として塾をはじめとする様々な民間教育の活用は必須と考えます。現在自治体ごとによって実施にバラつきがある民間教育バウチャー制度の充実・促進に向けた国としての予算化を要望させていただいております。
このように我が国に民間教育という社会資源があることを、活用することを提言しています。ぜひ全国学習塾協会と、学習塾(民間教育)の国に対する影響力のために、そして全国の塾の教室現場と子どもたちの未来のために、全国学習塾協会の活動にご理解いただき、協会未加入の事業者の方はご加盟していただけますよう、毎号にわたり恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。