教育資源としての民間教育 第74回
公益社団法人 全国学習塾協会 安藤 大作 会長
学習塾の社会的役割と(公社)全国学習塾協会の存在
長きにわたり、教育というフィールドは「公と民は別物であり、営利と非営利は別物である」という風潮が強く存在していました。しかし、それでは教育環境として立ち行かないばかりでなく、公共資産の有効活用、あるいは企業の固定費を圧縮して、より一層のサービス向上や経営の健全性などを実現するためにも、大きな構造改革に踏み込む必要性に迫られているのが現状といえるでしょう。
この連載コラムでもこれまで何度も申し上げていることですが、この国の未来は、公教育と民間教育の健全な協力体制にかかっているように思えてなりません。とりわけ、私たち学習塾の業界は、自塾の生徒を増やすという目標と同時に、学習塾業界の社会的役割の変化にも力を注ぐべき時にあるように思えます。時代と共に変化していく社会的役割、社会貢献あっての自塾生の増加であるように思うわけです。このように、民間教育がなくてはならない存在であると自負する中で、僭越ながら、私たち公益社団法人全国学習塾協会として、これまで省庁等に以下のような各種提言をして参りました。
■議員連盟に出席、教育バウチャー制度の全国拡充を提案
2023年2月、衆議院第2議員会館にて開催された「民間教育推進のための自民党国会議員連盟」に、全国学習塾協会として出席しました。当日は文部科学省、厚生労働省、経済産業省等の各省庁も出席しているものです。主に教育バウチャー制度の全国的な拡充・活用を提言してまいりました。
■こども家庭庁へ要望書を提出
2023年4月、こども家庭庁の発足に伴い、要望書を出すことに決定。当時の子育て担当大臣の小倉氏や茂木氏等の政治家にも要望書を提出しています。要望内容は、民間教育の重要性や学習塾の重要性、貧困家庭への教育バウチャー支出の拡充を中心としています。
■日本版DBS制度創設のための、自民党・公明党会議に出席
2023年12月、自民党と公明党それぞれから全国学習塾協会が幹事長を務めている「日本民間教育協議会」で民間教育を代表する立場から、プレゼンと各省庁からのヒアリングを受けてまいりました。
このような提言をしていくためには特商法や、適正な広告表示等を遵守していくことが前提になってきます。そのためにも会員、非会員を問わず学習塾業界を健全に守っていくためにも、どうか適正な運営をしていただければ幸いです。
最後に、ぜひ公益社団法人全国学習塾協会の存続と、塾(民間教育)の国に対する影響力のために、そして全国の塾の教室現場と子どもたちの未来のために、全国学習塾協会の活動にご理解いただき、協会未加入の事業者の方はご加盟していただけますよう、毎号にわたり恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。