
AJC(全国学習塾協同組合)森貞孝理事長の最新教育情報 第82回
生成AIは激しい変化を見せてさらなる高みへ
─日本はアメリカと中国に次ぐAIの世界の拠点になり得るか
2022年11月に突如発表された生成AIと世界中で起こったAIへの激しい変化。23年にはOpenAI社だけでなくマイクロソフト社がインターネット検索のBingにAI検索機能を追加、グーグル社もBARDというAIを発表して世界はAIブームで沸きかえった。塾教材各社もそれらを利用したソフトが次々に並び、その素晴らしさを競い合っているようだ。
その後1年半が経過してどのような変化が起こっているか。それに日本はどのような形で関わっていくのだろうか。
ChatGPTはGPT3からGPT4へ、さらに本年になってからOpenAI社はsoraという動画生成AIを発表した。マイクロソフト社はCopilotという名称でBingのみならずWindowsにも標準搭載、Office製品でもAIを使えるようにすることを発表。グーグル社はBARDをGeminiと名前を変えて生成AIを進化させた。さらに今年の4月に入って、マイクロソフト社は日本への投資としては過去最大の4400億円を投資して、生成AIの開発拠点やデータセンターを作ることを発表、アメリカに次ぐ大規模な拠点づくりを目指すとした。OpenAI社も日本に拠点づくりを発表、同月グーグル社も動画生成AIのVidsの開発を発表。シリコンバレー以上に東京が一気に世界中の話題になり始めている。
昨年、グーグル社の天才技術者といわれたジョーンズ氏とハ氏の二人が西新橋にSAKANAという会社を設立して生成AIに乗り出したのをきっかけに、近い将来シリコンバレーならぬ東京バレーが実現するかと注目を集めたが、今や世界はアメリカ、中国、日本が三つ巴になって生成AIのイニシアチブを取る戦いが始まりかけている。グーグル社も新たに日本の拠点を充実させる動きを見せている。
ただ日本国内では、多くの企業がそこまでの力を見せていない。クラウドサービスを見ても、アマゾンのAWSが30%を超えるシェアを持ち、マイクロソフト、グーグルが次いで、日本企業は全部合わせても10%に満たない。生成AIについては各企業ともアメリカの巨大企業GAFAMの足元にも及ばない。現在は発表された生成AIをどのように自社の製品に活用していくのか、より良い日本に合った形のものにしていくのかという段階にとどまっている。しかしNTTがSAKANAと提携したり、TSUZUMIという生成AI向けの言語を開発して提供を始めたり動きは少しずつ出始めている。日本に積極的に乗り出してきた各社も、より自然な日本語に変換することを進めているようだ。
昨年当組合は、生成AIについての講座を行い、本年も5月12日に行った。
時代は大きく変わろうとしている。そして世界でではなく、日本で大きく変わろうとしているのだ。ビルゲイツやスティーブジョブスが10代でコンピューターに関わったように、若く柔軟な頭脳を持ち、未来の日本をしっかりと支えていく子どもたちは、今学習塾の教室で目を輝かせて、新しい時代の変化と自分たちの出番を待っているのではないだろうか。