AJC(全国学習塾協同組合)森貞孝理事長の最新教育情報 第83回
日本の政治が国民に見放されている!?
日本の政治が国民に見放されている。全国いたるところで与党が選挙に敗れて、野党の候補のもとにずたずたになっている。そして総理はまるでそのことに無関心であるかのように、自身の責任も内閣の責任にも言及しないで日々時間が経過していくのを、頭の上を通り過ぎていくのをじっと耐えているようだ。
国民の多くが与党の自民党不信に陥っている中、内閣支持率が30%を切るどん底で、岸田総理は次々に海外へ行って動き回り、あたかも大きな政治的な成果を得たかのように振る舞っているのは見苦しいのを通り越しているのではないか。
マスコミが大きく取り上げ、野党が激しく追及したりして今国民から見れば、政治家はみんな悪人の集まりだと考えているようにも見える。考えようによってはそんなひどい国に生まれてこなければよかったと思う人もいるのではないか。
太平洋戦争で昭和20年に敗戦になって、東京は一面の焼け野原になった。それから来年で80年。コメの配給も量が少なく、買い出しの列が続いた頃から歯を食いしばって日本は復興に全力を挙げ、経済の発展は国民総生産を世界第2位にまで押し上げ、世界が羨ましがる新幹線が国内に縦横に走り、トヨタが世界第1位の自動車生産台数を誇る国になった。今の政治にいくつか問題点はあるかもしれない。しかし、世界の人々が、一番住みたい国、一番行きたい国、そしていろんな分野で優れたものをたくさん持っている国が日本ではないのか。
そんな話が続いている中で、今度は自動車大手のトヨタ、マツダ、ヤマハ、ホンダ、スズキの5社から型式指定申請における不正行為が行われていたとの報告があったと発表した。報告のあった不正行為の内容は、トヨタでは歩行者保護試験における虚偽データの提出や衝突試験における試験車両の不正加工、マツダでは出力試験におけるエンジン制御ソフトの書き換えなど。さらにその他の企業などについても調査を継続しているとのことだ。
教育の分野で今大きく話題になっているのは日本版DBSで、一部の教師たちが児童生徒に対して性行為や盗撮、痴漢行為などを行っていることを排除するための法的規制の問題で、10年ほど前までは表面的には隠し続けられてきた問題だった。
豊かになった日本は多くの国民が自由にのびのびとしたいことをするようになってきている。型にはめた堅苦しい生き方や全員が同じ方向にひたすら進んでいくような生活から抜け出しかかっている。とんでもないことでなければ少々のことはいいだろうと考える国民性が、出てきているのではないか。不登校が急増し始めているのも、裏を返せば、親の考え方がより束縛されなくなって自由にのびのびとわが子を育てたいという一面があるからではないのか。
だからと言って日本の現状が許せると思っているわけではない。少なくとも国民の代表たる立場の人や大企業、子どもたちを指導する立場の人たちはそれなりの自覚と誇りをもって行動してほしい。マスコミも上げ足をとったり、小さなスキャンダルをことさらに言い立てたりしないでほしい。
30年後にはきっと今の世界とがらりと変わった状況になっているだろう。その頃には日本も世界のリーダーとしての素晴らしい国になっていてほしいと願っている。