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    塾の日シンポジウム2024 大阪大会 開催
    いのち輝く未来社会の教育

(公社)全国学習塾協会
塾の日シンポジウム2024 大阪大会 開催
いのち輝く未来社会の教育

2024-12-02

公益社団法人全国学習塾協会(以下、協会)は10月14日(祝)、ガーデンパレス大阪にて塾の日シンポジウム2024を開催した。このシンポジウムは10月9日の「塾の日」にちなみ、協会が毎年全国の都市で開催しているもの。理事の永井博氏による開会の辞のあと、会長の安藤大作氏からの挨拶があり会がスタート。
第34回全国読書作文コンクール優秀者表彰式や特別功労賞・功労賞、自主基準遵守塾表彰式の他、近畿大学経営戦略本部長・世耕石弘氏による基調講演が行われた。

子どもたちの未来のために 経産省、文科省、こども家庭庁とも連携していく

会長式辞 全国学習塾協会会長・理事 安藤大作氏

会長式辞 全国学習塾協会会長・理事 安藤大作氏

協会は1988年10月、当時の通商産業大臣の許可のもと設立。2013年には公益社団格を取得し、以来、より良い学習塾業界の確立に向け、自主ルール普及推進や学習塾講師検定、学習塾法務管理者等の人材育成、全国読書作文コンクールの開催、お客様の安心・安全のためのガイドライン普及推進、学習塾事業者のコンプライアンス活動支援などを行ってきた。開会にあたり挨拶に立った会長の安藤大作氏は、全国で学校の先生が不足している現状やこども性暴力防止法(正式名称:学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律)が成立したことに触れ「私達は子ども達の近くにいる業界として、自らの塾のみならず、子ども達の未来のため、公益のため、世の中のため、自分たちが愛して暮らす地域の子ども達の未来に健やかに育つために、様々な場面で公教育、民間教育関係なく協力していきたいと思う」と公益社団法人としての決意を述べた。

[上] 開会の辞 理事 永井博氏 [下] 祝電披露 副会長 中村建吾氏

[上] 開会の辞 理事 永井博氏
[下] 祝電披露 副会長 中村建吾氏

来賓として経済産業省、及びこども家庭庁から太田三音子氏が、文部科学省からは西明夫氏が出席した。太田氏は経産省で学習塾業界、民間教育産業の振興に取り組む傍らこども家庭庁にも籍を置き、子どもの教育、保育の現場の安全安心のための取り組みにも関わっている。社会の変化激しい昨今、常識にとらわれず新しい価値を創造し未来を切り拓くことができる人材の育成が求められている。そういった人材を価値創造型人材と定義。このような人材育成のためには子ども達が自らの特性や個性を最大限伸ばすことができるような多様な学びの選択肢が提供される環境が必要と考えているとのこと。

[左から] 閉会の辞 副会長 稲葉秀雄氏、文部科学省 総合教育政策局 生涯学習推進課  リカレント教育・民間教育振興室長 西明夫氏、経済産業省 商務・サービスグループ サービス政策課 課長 こども家庭庁 長官官房参事官 太田三音子氏

[左から] 閉会の辞 副会長 稲葉秀雄氏、文部科学省 総合教育政策局 生涯学習推進課 リカレント教育・民間教育振興室長 西明夫氏、経済産業省 商務・サービスグループ サービス政策課 課長 こども家庭庁 長官官房参事官 太田三音子氏

全ての子ども達に提供される公的な学び(公助)を度台に、意欲あるこども達の挑戦を積極的に後押ししながら子どもの特性や個性を伸ばし、主体性や創造性を育むために地域社会との連携(共助)と、各家庭の経済状況親希望に応じてこども達が教授する習い事や体験等の学び(自助)が学びの選択肢を増やすことにつながる。経産省では共助拡大のため「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」を発足させ、教育現場における外部資源の活用を模索しており、塾業界にも協力と教育現場との連携を求めた。また、こども家庭庁の立場からは「子どもへの性犯罪、性暴力が被害に遭った子どもに一生涯の深刻な影響を及ぼす極めて悪質な行為で決して許されることではない」と強調。今年6月に公布されたこども性暴力防止法に言及した。この法律は日本版DBSとも呼ばれ、現在、法案の具体的な運用の在り方について検討されている。関係省庁とも連携し、民間教育現場の声も聞きながら精度の円滑な運営に向けて取り組みを進めていくとのことだ。

(公社)全国学習塾協会 理事の方々

(公社)全国学習塾協会 理事の方々

文部科学省からは西明夫氏が学校外の重要な学習環境の一つである学習塾を大きく評価し、学習塾事業や協会の取り組みに対し、関係者らにお礼を述べた。文科省としては社会全体で子ども達の教育を支えるべく、地域と共にある学校作りを進めていきたいとのこと。「我が国全体の教育力向上に向け、互いに連携しながらそれぞれの立場で頑張っていきたい」と述べた。

第34回全国読書作文コンクール優秀者表彰式
特別功労賞・功労賞
自主基準遵守塾表彰式

全国読書作文コンクール受賞者のみなさま

全国読書作文コンクール受賞者のみなさま

続いて第34回全国読書作文コンクール優秀者表彰式が行われた。同協会では、明日を担う児童生徒に良い本の出会いに感動する機会を与え、その感動を文章に表現することによって、読書力、文章力、想像力の向上を図ることを目的に、毎年このコンクールを開催している。今年は小学生の部、中学生の部からそれぞれ大賞が1名、優秀賞には計7名が選ばれた。付き添いの家族や塾の先生が見守る中、受賞者らには賞状と盾、記念品が贈られた。

特別功労賞・功労賞 表彰式

特別功労賞・功労賞 表彰式

次に長年、協会の運営に多大なる貢献をした役員就任経験者の表彰に移った。こちらは今年から設けられたもので選考委員会により選定された7名のうち、故人の大沼信雄氏(大沼学院)に特別功労賞が、山下典男氏、祖父江準氏(神田進学セミナー)、田中良典氏(コスモスアカデミー)、津田謙氏(日本育英ゼミ)、畑山篤氏(志学塾)、野中績宏氏(SI進学ゼミナール)らに功労賞が贈られた。また、今年度、協会宛に多額の寄付をしたとして西本彰子氏(パワーゼミ西本塾)に感謝状が贈られた。

自主基準遵守塾 表彰式

自主基準遵守塾 表彰式

最後は協会が定める「学習塾における事業活動の適正化に関する自主基準」を遵守し、学習塾発展に寄与したと認められた塾に贈られる自主基準遵守塾表彰だ。協会では消費者の安心安全のために、学習塾事業を行う上で事業者が守るべき基本事項として、適切な情報提供や適正な契約など消費者が安心してサービスを受けるための適切な措置を講じている事業者を審査し認証「学習塾認証」、消費者の適切な保護のための法律その他必要とされる知識・技能を取得している個人を認定する「学習塾法務管理者」制度を設けている。学習塾認証取得が4年以上、かつ従業者が学習塾法務管理者を取得している塾が表彰の対象となっている。個人情報の保護体制に対する第三者認証制度であるプライバシーマークを取得している2事業者含め計37事業者に賞状が贈られた。

[基調講演]
学校法人近畿大学 経営戦略本部長 世耕石弘氏
知と汗と涙の近大流コミュニケーション戦略

近畿大学(以下、近大)は1949年に設立。来年創立100周年を迎える近大は15学部49学科と大学院11研究科、1学位プログラムを持ち、6つのキャンパス、17の研究所と2つの短大、18校の併設学校、2つの大規模総合病院を有する日本屈指の総合大学だ。「実学教育と人格の陶冶」を建学の精神とし、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人の育成」を教育理念として掲げている。近大の創設者、初代総長である世耕弘一氏は1932年に衆議院議員選挙で当選して以降、通算23年にわたって衆議院議員を務めた。高等小学校まで首席を通しながらも経済的事情で中学進学を諦め、その後苦学し大学へ進学した経験から「学びたい者に学ばせたい」と近大創設に情熱を注いだという。世耕石弘氏はその孫に当たる。
石弘氏が同志社大学系列の中高一貫校からそのまま同志社大学に進学。卒業後は近畿日本鉄道(株)に入社し、ホテル事業を経て広報を担当するようになった。近鉄は日本の私鉄の中で最長の営業距離を誇り、駅数は286、ホテルや百貨店の他、当時はプロ野球球団も有する連結売上が1兆円を超える大企業だった。関西で2番目に大きい私鉄である阪急は営業距離が143km、駅数90と近鉄との差は圧倒的だが、なぜか阪急電車は人気があり、小説にもなり映画にもなる。少し品があって花を添えたようなイメージがあるという。それはブランドイメージの差だった。宝塚歌劇団で有名な阪急はそれがそのまま電車や沿線のイメージとなり、ひいては百貨店やホテルの客単価にまでも影響を及ぼしている。

近畿大学 経営戦略本部長 世耕石弘氏

近畿大学 経営戦略本部長 世耕石弘氏

これは球団も同様だった。近鉄バッファローズの広報も担っていた際は、観客数の低迷に頭を悩ませていた。特に本拠地を大阪ドームに移してからが酷い。唯一の在阪球団なのに、大阪人はお隣の兵庫県に本拠地を置く球団に夢中だ。大阪人が持つ東京へのコンプレックスのようなものを上手く刺激するような、在京球団との対立を煽る構図も功を奏していた。それを「うちは野球で勝負をする」という上層部。バッファローズは強かったけれど、強いチームにお客様がつくわけじゃない。商品も、良い商品が必ず売れるわけでもない。そこにはブランド戦略やコミュニケーション戦略が関係していると学んだ。
鉄道のホームページを担当していた頃の忘れられないエピソードがあるという。ホームページに運行状況を載せてはどうか?と上司に進言したところ激怒されたのだ。曰く、鉄道会社にとって定時運行が当然であり遅延や運休は恥だというのだ。自然災害や事故は自分たちの責任ではないと考える石弘氏だが、鉄道マンにとってはそうではないらしい。結局、翌年には掲載するようになり、現在では運行状況を掲載していない鉄道会社はない。当時の非常識が今は常識となったのだ。入試にも同じことが言える。願書は手書きで郵送するのが当たり前の時代、インターネット出願を提案しても誰もが難色を示した。これには日本の優秀すぎる郵便事情もあったのだろう。海外では出願書類が届かないことも頻繁にあり、インターネット出願への切り替えに抵抗が無かったのだと思う。大学入試を経験していない石弘氏だからこそ出てきたアイデアなのかも知れない。
石弘氏が近大の広報に携わるようになったのは2007年。この時点で定員割れしていたわけではないが、人口動向を見ている限り早く手を打った方が良いと、大学側が広報の重要性を認識していたのだ。2024年度入試で11年連続志願者数日本一を達成してもなお、危機感を抱いており広報には力を入れている。
広告を作る際、誰をターゲットにするかは重要だ。大学の場合、受験生、学費を出す親、祖父母がお金を出すケースもあるし、進路に影響力を持っているのは塾や高校の先生だ。全世代に響く広告はあり得ない!と、近大では十数年前から17、18歳の受験生をターゲットにした広告を作っている。ホームページに短い動画をいくつも掲載しているのはそのためだ。以前なら動作が重くなったり通信費用が莫大になったりという理由でNGと言われていた動画も今は必須。この10年ほどで通信環境が劇的に変わったことも要因の一つだろう。海外の大学もその多くが動画をトップページに置いているという。特に海外では世界中から優秀な人材を集めるため、より多くの寄付金を募るためにホームページに力を入れている大学が多く、デザインを考える際には大変参考になるとのことだ。
高校生が志望校を選ぶポイントはやはり大学のランキングに基づいていることが多い。国公立大学は旧帝大を筆頭にほぼ設立順。私立大学は近い偏差値をグループ分けしたもので関西では「関関同立」、「産近甲龍」と呼ばれるもので、順位は不動のものらしい。そのため、2018年からは世界大学ランキングの順位を全面に出すことにしている。2023年の順位は801~100位。100位以内にランクインする関西の私立大学は近大だけだ。マグロ完全養殖の成功や他の養殖魚を使った飲食店展開などがニュースで取り上げられたこともあり、グローバル基準で見るとかなり評価が高いのだ。
石弘氏が大学紹介をする際、広告では49学科もある教育内容にまでは触れられないため、研究成果に加え、リアルな近大生の日常や意外と便利なキャンパスの立地の紹介に留まっている。高校生が憧れる学生を起用し、大学生活をイメージしやすいよう心がけている。興味をもってもらいさえすれば教育内容は自ら調べるだろうとのことだ。来年創立100周年を迎える近大だが、石弘氏は「100年どころでは縛られるような歴史、文化、伝統はない」と言い切る。近大のホームページや広告を見てもらえばそれは一目瞭然だろう。
近大の掲げる「実学」とは、それまでにない独創的な研究に挑むことと、その研究成果を社会に活かし、収益をあげることを指している。「研究をカネ儲けと結びつけるのは神聖な学問への冒涜ではないのか?」と言われることもあったが「それは官立大学の発想だ。私立大学は自らの足で立たなければならない」と創設者は一蹴していたそうだ。近年、国公立大学も財界や国の求める目先の成果が期待される分野の研究に注力するようになっている。やっと時代が近大に追いついてきたということだ。


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