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    多様化が加速し課題が変化する
    時代の教育の在り方を問う

ウイングネット秋セミナー2024
多様化が加速し課題が変化する
時代の教育の在り方を問う

2024-12-02
(株)ウイングネット 代表取締役社長 荻原俊平 氏

(株)ウイングネット 代表取締役社長 荻原俊平 氏

10月27日(日)、株式会社ウイングネット(荻原俊平代表取締役社長、東京都文京区)が主催する「ウイングネット秋セミナー2024」が東京・日本橋にて開催された。「多様化が加速し、課題が変化する時代。教育の在り方とは?そこからの必要な学びとは?」と題して行われたセミナーには、塾・予備校関係者をはじめ全国から大勢の教育関係者が出席した。

[開会の挨拶]
(株)ウイングネット 常務取締役 平塚正樹 氏

さらなる個別最適な教育を

(株)ウイングネット 常務取締役 平塚正樹 氏

(株)ウイングネット
常務取締役 平塚正樹 氏

冒頭では、(株)ウイングネット 常務取締役 平塚正樹氏が、開会の挨拶を行った。
平塚氏は、今回のセミナーのキーワードでもある「多様化」について言及。「どの時代においても子どもたちの学び方やニーズは多様であり、ウイングネットでは個別最適な学習機会の提供や学習意欲の喚起でそのニーズに応えてきた」としたうえで、「これからはより深層的な個別性や多様性への配慮が求められる」と指摘。「教育や学習の環境が大きく変化するなかで、塾・予備校の役割も変わりつつある。少子化などで厳しい状況にあることは間違いないが、この状況をチャンスに変えていくことが大事。さらなる個別最適な学習の場や教育、学びの在り方について、今日は皆さんと共に深めていきたい」と呼びかけた。

基調講演①
「民間教育のこれから2025」
(株)学研塾ホールディングス 代表取締役会長
(株)市進ホールディングス 代表取締役会長
下屋俊裕 氏

塾・予備校の授業料はこれ以上の値上げは難しい

(株)学研塾ホールディングス 代表取締役会長 (株)市進ホールディングス 代表取締役会長  下屋俊裕 氏

(株)学研塾ホールディングス 代表取締役会長
(株)市進ホールディングス 代表取締役会長
 下屋俊裕 氏

続いて、(株)学研塾ホールディングス代表取締役会長・(株)市進ホールディングス 代表取締役会長の下屋俊裕氏が、「民間教育のこれから2025」と題した基調講演を行った。
講演の冒頭で下屋氏が言及したのが、活気ある教室の条件。「生徒への声がけが盛んで、片付いて清潔感のある教室は、活気があり実際に生徒の成績も伸びている。生徒のことを知り、名前を覚えて、声をかける。多様な生徒一人ひとりを丁寧に見るというのが塾の原点であり、今こそそこに立ち帰るべきとき」と強調した。

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続いて講演の本編へ。まずは塾業界を取り巻く情勢について、1教場あたりの受講生数・客単価・売上の推移のデータ(※)を提示しつつ、「賃金の値上げ率が約4%のところ、塾・予備校の授業料(客単価)は2019年に比べて約17%も上昇しており、これ以上値上げするのが難しい状況」と指摘。「今は生徒数が減った分を授業料の値上げで補い、結果として売上が増えているが、この状況は長くは続かない。限界に来ている」と厳しい口調で訴えた。
さらに、人口減少、特に働き手の不足について言及。2040年には需要(必要人数)と供給(応募者数)の需給ギャップが1100万人になるという試算を提示し、不足分をいかに補うかが喫緊の課題であるとした。その解決策として、メタバース空間でのコミュニケーションやAIの活用を列挙。「それらといかに共存するかが課題。AIが得意なデータ分析などの領域で積極的に活用すべき」としたうえで、「AIが提示してきたものをそのまま生徒や保護者に伝えていては、相手に響くわけがない。やはりそこに人が介在すること、寄り添うことが不可欠」と強調した。
また、ある教室の月次収支例を挙げ、収入を増やして経費を削減するための具体的な施策を提案。収入面では小学校低学年からの集客や高校別対応の実現、経費面では1人の教室長が2教室を無理なく運営できる仕組みづくりがカギになるとした。

今こそ生徒と向き合い、商品を見直し、本質を追究してほしい

最後は、「業界のこれから」として、「通い続けてもらえる塾になるには、何はともあれ生徒の成績をしっかりと伸ばすことが不可欠」と改めて強調。「デジタル化が進む時代においても、手で書いて覚える、紙に書いて勉強するという習慣を大事にしてほしい」と呼びかけた。さらに、「今の好調は一時的なもの」と警鐘を鳴らし、「今こそもう一度、自分の教室の生徒と向き合い、商品を見直し、本質を追求してほしい。時代も子どもも保護者もどんどん変わるなか、売り手や教え手が変わらないのは失礼なこと。常に時代についていくこと、変化し続けることを念頭に、活気ある職場・塾づくりを目指してほしい」と締め括った。

※PS・コンサルティング・システム 小林弘典氏提供の資料による

基調講演②
「多様化する子育て環境」
(株)サイタコーディネーション 代表取締役 江藤真規 氏

アンコンシャスバイアスとは?

(株)サイタコーディネーション 代表取締役 江藤真規 氏

(株)サイタコーディネーション
代表取締役 江藤真規 氏

基調講演2人目は、(株)サイタコーディネーション 代表取締役で、一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所 認定トレーナーでもある江藤真規氏。「多様化する子育て環境 〜アンコンシャスバイアスに気づき保護者に真に寄り添える塾になる〜」と題して、「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)」を主題に講演を行った。
冒頭で江藤氏は、多様性の根幹には、「私はここにいる意味がある」「私は受け入れられている」と一人ひとりが存在意義を感じられる状態があるとし、「多様化が進み、〝あたりまえ〟がなくなった今の時代において、多様性を受け入れるカギはアンコンシャスバイアスにあるかもしれない」とその重要性を示唆。写真やイラスト、よくあるシーンなどを参加者に提示し、参加者自身が自分の内に潜むアンコンシャスバイアスに気づくところから講演はスタートした。
「アンコンシャスバイアスは誰にでもありうるもので、無意識がゆえに避けようのないもの。問題は、自分のアンコンシャスバイアスに気づかず、判断や言動をしてしまうこと」と江藤氏。よくある例として、「親が単身赴任」と聞いたら「親=父親」と思う、「家族の介護をしている」と聞いたら「家族=親」と思う…などを挙げ、「無自覚のまま相手を傷つけてしまうのを避けるために、自分の内に潜むアンコンシャスバイアスに気づき、自覚することが、何よりも大事」と訴えた。

塾内でもアンコンシャスバイアスに意識を向ける取り組みを

続いて、「アンコンシャスバイアスによるネガティブな影響を防ぐための3つの対処法」を提案。①アンコンシャスバイアスを意識する、②決めつけない・押しつけない、③サイン(表情や態度など)を手がかりに対応する、の3点をアドバイスし、「『これって私のアンコンシャスバイアス?』を合言葉に、ぜひ、塾内でもアンコンシャスバイアスに意識を向ける取り組みをしてほしい」と呼びかけた。また、「受け止め方は人それぞれであり、良かれと思ってやったことに潜むアンコンシャスバイアスに要注意。相手にとってどうなのかに意識を向けてほしい」と述べた。
最後は、「アンコンシャスバイアスを完全になくすことはできないが、新たな経験などで上書きをすることはできる。上書きすることで、見える世界や未来は変わるかもしれない」としたうえで、「他の誰かのアンコンシャスバイアスを指摘するのではなく、〝私〟を主語に、自分のアンコンシャスバイアスと向き合い続けることが大事」と締め括った。

パネルディスカッション&グループディスカッション
「多様化したニーズの中での主体的な学びとは?」

[左から] (株)塾と教育社代表取締役社長 加藤麻由美 氏/(株)俊英館個人最適化学習塾Dreaven 教室長 都丸亜絵莉 氏/(株)創造学園第2事業部 統括代理(高等部担当) 廣瀬平八 氏/(株)ウイングネット代表取締役社長荻原俊平 氏

[左から] (株)塾と教育社代表取締役社長 加藤麻由美 氏/(株)俊英館個人最適化学習塾Dreaven 教室長 都丸亜絵莉 氏/(株)創造学園第2事業部 統括代理(高等部担当) 廣瀬平八 氏/(株)ウイングネット代表取締役社長荻原俊平 氏

休憩を挟み、セミナー後半は、パネルディスカッション&グループディスカッションからスタート。まずは、「多様化したニーズの中での主体的な学びとは? 〜ActiveLearningを推進する学習戦略を考える〜」をテーマに、壇上でパネルディスカッションが行われた。登壇したのは、(株)創造学園 第2事業部 統括代理 廣瀬平八氏と(株)俊英館 個人最適化学習塾Dreaven教室長 都丸亜絵莉氏。オブザーバーとして、(株)ウイングネット 代表取締役社長 荻原俊平氏と(株)塾と教育社 代表取締役社長 加藤麻由美氏が加わった。

[真ん中](株)塾と教育社代表取締役社長 加藤麻由美 氏 [右](株)俊英館個人最適化学習塾Dreaven 教室長 都丸亜絵莉 氏

[真ん中](株)塾と教育社代表取締役社長 加藤麻由美 氏
[右](株)俊英館個人最適化学習塾Dreaven 教室長 都丸亜絵莉 氏

最初の議題は、「生徒に能動的な学びをさせるには」。都丸氏は、「生徒と一緒に目標を決めること、与え過ぎず、あえて失敗をさせて、うまくいく方法を一緒に探っていくことを大事にしている」と発言。廣瀬氏は、「あえて型を作ったうえで、個別に対応をしている。生徒を知るためには、とにかく生徒と話をすることが大事。メールやチャットなども活用して、密にコミュニケーションをとることを大事にしている」と述べた。さらに、塾での学習を通して自主性・主体性を身につけた生徒たちの事例を共有。「目標に向かって努力し、達成する経験をした子は、その後の人生でも挑戦し続けている」と都丸氏。「自分の頭で考える習慣が身についた生徒は、環境は変わってもそのスキルを活かせる」と廣瀬氏。また、荻原氏は「探究等の主体的・能動的な学びが進むなか、学校とは異なる価値、学校を越える価値を提供するにはどうしたらいいかが課題」と問題を提示した。

グループディスカッション

グループディスカッション

続いての議題は、「能動的な学びを促進できる人材育成」。廣瀬氏は「生徒の能動的な行動を妨げるのは、教える側の思い込み。この子は〜だから…とレッテルを貼って接してしまうことで、自主性や主体性を阻害してしまう。経験を積みつつ思い込みを排除することが大事」とした。また、都丸氏は、若い講師に任せる、委ねることの大切さを実感したエピソードを紹介したうえで、「(若手にはまだ)できないんじゃないかという思い込みが外れた」と自身の変化を共有。「自分が輝けるところを一つ磨こう、責任は自分が取るから、生徒のためになると思ったことはすべてやろうと、スタッフには伝えている。自分で考えて実行して、失敗もしながら成長してほしい」と述べた。

[左](株)創造学園第2事業部 統括代理(高等部担当) 廣瀬平八 氏 [右](株)ウイングネット代表取締役社長荻原俊平 氏

[左](株)創造学園第2事業部 統括代理(高等部担当) 廣瀬平八 氏
[右](株)ウイングネット代表取締役社長荻原俊平 氏

それぞれの議題について、パネルディスカッションの内容を受けて、会場の参加者によるグループディスカッションも行われた。数名ずつのグループになり、自塾の取り組みの事例や意見を交換。日頃感じている課題、悩みなども共有され、会場は熱気に包まれた。

ウイングネットからの提案
「ウイングネットが目指す2030戦略」
(株)ウイングネット 本部長 田中聖 氏

多様化するニーズに応え、成果を出す

(株)ウイングネット 本部長 田中聖 氏

(株)ウイングネット
本部長 田中聖 氏

続いて、(株)ウイングネット 本部長 田中聖氏が登壇し、「Towards 2030:Shaping the Future 〜ウイングネットが目指す2030戦略」と題して、2030年に向けたウイングネットの戦略や、具体的な教材・サービスの活用法などについて発表・提案を行った。
冒頭では、基調講演で下屋氏が言及した「労働人口の減少」が今後の大きな課題になると改めて強調。①多様化するニーズに応える(個別最適化の実現)、②限られた人材で顧客ニーズを満たし、成果を出す(人材の役割を変える)の2点が、2030年に向けた戦略のカギとなるとした。
続いて、個別最適化を実現するためには、「何を・いつ・どうやるか」をゴールから逆算して生徒に提案し、しっかりとやらせることが不可欠だとしたうえで、自己管理のための生徒マイページやシステムの活用法をアドバイスした。
さらに、人材の役割を変えるための具体的な手段として、AIをはじめとした各種ICTツールを活用することを推奨。一方で、AIに任せる部分と人が担う部分を切り分け、「生徒と密にコミュニケーションをとり、高い提供価値を実現してほしい」と訴えた。

閉会の挨拶
(株)ウイングネット 代表取締役社長 荻原俊平 氏

最後は、(株)ウイングネット 代表取締役社長の荻原俊平氏が登壇し、閉会の挨拶を述べた。
荻原氏は、「AIやDXの推進で便利になった反面、思考の外部化が進み、人間の自己成長能力が改めて見直されている。今から2030年までの教育が、日本という国の今後の在り方を変えていくのではないだろうか」と提言。「今こそ、人にしかできないことに取り組み、人の力を増幅して価値を高めていくことが重要」と述べた。さらに、その具体策としてコミュニケーションに言及し、「コミュニケーションとは元来、細かくて面倒なもの。だからこそ、きっちりと丁寧に取り組んでほしい。生徒や保護者とのコミュニケーションでは、〝思い〟を伝えることが大事。そして、〝思い〟を伝えるためには、その背後にある〝ストーリー〟までしっかりと伝えることが不可欠」とした。
最後は、「原理原則に則っているか、つまり、目の前の人や変化への対応が丁寧にできているか。時流に乗っているか、そして、自社にしかできないことができているか。これらを常に自らに問いかけ、共に未来を構築していこう」と呼びかけ、会を締め括った。


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