
(株)ペアジャパン「 受験と生理」の辛さは、
知らない・わからないでは済まされない
塾の先生向けや保護者・生徒向け「生理セミナー」の開催に期待!
[座談会]参加者(五十音順)
公益社団法人 全国学習塾協会 会長 安藤 大作 氏
株式会社 ベアジャパン 代表取締役CEO 高橋 くみ 氏
株式会社 城南進学研究社 専務取締役執行役員 千島 克哉 氏
超吸収型サニタリーショーツブランド「Be-A〈ベア〉」を展開する、ベアジャパンの髙橋くみCEOと、教育業界に精通する全国学習塾協会の安藤大作会長、城南進学研究社の千島克哉専務取締役執行役員にお集まりいただき座談会が実現した。
生理セミナーの開催に尽力し、女性が生理でも諦めることのない社会を目指して精力的に活動をする髙橋氏。「女子生徒の生理のストレスの軽減と集中力をサポートする学習塾の姿勢が重要」だと提案する。塾業界としていま、どんな取り組みが求められているのだろうか。
まずは生理について知って業界全体で取り組む風土を
安藤 全国学習塾協会は公益性に着眼しつつ、塾業界のステイタスや社会的認知度を上げるために一定の役割を果たしてきた団体です。学習塾は子どもたちが育つ健やかな土壌があってこそ成り立つものであり、女子生徒の生理についてどんな対策が必要なのか、ベアジャパンの取り組みを知って業界全体で考えることも大切だと感じています。
千島 城南進学研究社の企業理念「学びをアップデートせよ」と照らし合わせ、女性や女子生徒の体調管理に関する学びをアップデートする必要を感じています。特に、生理の精神的、物理的な不快感や苦痛について知識がない塾業界の現状があります。少なくとも私自身、今日はスタートラインに立った気持ちです。
高橋 ベアジャパンは2020年にクラウドファンディングでデビューした超吸収型サニタリーショーツのブランドです。わずか45日間で9062人から1億円超えの支援を得て、いかに女性たちが新しい選択肢を探しているか、また社会的な問題の解決に期待されている責任を感じました。そして、「生理があることを理由に女性が諦めない社会を本気で作りたい」という思いを抱き、生理というトピックスにフォーカスして社会に後押しされながら挑んでいる最中です。
安藤 もともと私塾は「子どもたちの未来に貢献したい」との思いから自然発生的に生まれました。そのDNAはいまも脈々と流れています。ベアジャパンの活動は、子どもたちが健やかに成長するために課題を解決するという意味で共通項を持っていると感じます。
━まずは、超吸収型サニタリーショーツについて教えてください。
高橋 ショーツ自体が液体を吸水するので、穿いているだけで1日中、安心です。鉱石をパウダー化してプリントしたぬくもり設計も備えています。これまでお客さまとZoomミーティングや座談会を実施し、アンケートなどを通して8000人以上の声に耳を傾けて改良を重ねてきました。
私たちの独自調査によると、中学受験と生理に関するアンケートでは受験生の88・3%が生理の不安を感じています。また、別の調査では「50%近くの女子が家族にさえ生理を知られたくない」という結果もありました。痛みや体調不良を把握し、生理と向き合う心構えを持っていれば対策ができることを伝えたいと思っています。
安藤 LGBTQ+などさまざまな側面がありますが、誤解を恐れずに率直に言えば、女性だから辛い、損をしたとは思ってほしくありません。少なくとも、女子生徒自身が生理に関する辛さや苦しさを軽減する知識を身につけてほしいと思います。
高橋 100年前、生理の平均回数は女性の一生で50回でしたが、現代は450回です。子どもを産む人数が減り、生理の回数は9倍に増加しました。恵まれた栄養によって初潮年齢が早まったことも要因の1つです。特に、中学受験期は初潮を迎える12歳とちょうど重なるため、精神的にも不安定になる可能性が高く、非常に難しい時期です。
千島 私自身知らなかったことばかりで、猛省しています。生理に関して必要な知識を持ちながら、有形無形の支援をすべきであったと痛感しています。
生理に関するリテラシーを育む生理セミナーで啓蒙
安藤 女性たちは男性にもこの話題を取り上げてほしいのだろうかと、正直私自身もジレンマがあります。一歩踏み込んで生理の話題をオープンにする前に、気遣いが相手にとっては余計なおせっかいにならないような配慮も必要だと認識しています。塾の先生方が知識を念頭に置いて接することと、保護者・生徒向け生理セミナーへの参加を呼びかけることが有効ではないでしょうか。
千島 まず、塾の経営者や先生方は生理に関する最低限の知識を得て、想像を働かせてみることからスタートすることが理想的だと思います。
女性の持つ固有の課題は重要な課題でありますが、これまで経営課題として遡上にあがったことはありません。女性スタッフ、女子生徒に対してより良い環境を提供するという文脈で、女性職員が女性目線に立った提案を堂々とできることが大切です。業界としても、そういった空気感を作っていかなければなりません。
高橋 これまで小・中・高・大学生から社会人まで1000人以上の方を対象に生理セミナーを開催してきました。ぜひお気軽にご相談いただければと思います。生理は100人100通りの悩みや症状があることを理解いただいて、学習塾の先生方にも自分ごととして捉えていただければと願っています。
安藤 スポーツ教室やスイミングクラブなどでも、生理セミナーを実施するべきだと思います。知らなければ、悩みを抱えている生徒たちに寄り添うことができません。ベストパフォーマンスを発揮してもらうために、必ず寄り添っていかなければならないと思います。
お問い合わせ先
株式会社ベアジャパン
https://withbe-a.com/
ベアジャパンが運営する女性支援ソーシャルプロジェクト
「Girls be ambitious=GBA(ジービーエー)」
https://girlsbeambitious.com/