中国政府教育部国家漢弁主催の中国語検定 「HSK」2017年HSK奨学金短期留学 夏季
HSKとは、中国政府教育部国家漢弁主催、全世界で875 カ所以上、114 の国と地域で実施されている、数ある中国語検定の中でも、世界で最も認知されている試験です。日本国内での運営は一般社団法人日本青少年育成協会(増澤空会長)が実施しています。
「HSK」は、中国の大学へ留学する際、資格基準と必須条件として使われるほか、日本国内でも、ANA(全日本空輸)や三井住友銀行、伊藤忠商事などの多くの企業、また公共機関等で採用や社内人事評価として採用されています。受験者数も2009 年の5,500 名から2016 年の25,000 名に増加しています。
HSK奨学金短期留学の歴史と経緯
(一社)日本青少年育成協会は7年間連続受験者数増加という実績、さらに、奨学金短期留学第1期生(2015年8月大連)、第2期生(2016年3月四川)、第3期生(2016年8月大連にて実施)が高く評価されたことにより、今回第4期が実現しました。
主催団体の中国国家漢弁から奨学金を受け、HSK受験者の中から成績優秀者を対象に8月7日から8月17日まで青島で学びを深めました。
青島(チンタオ)・青島大学
今回HSK奨学金短期留学(第4期)は中国国内でも有名な避暑聖地である青島でした。参加者全員、青島は初めてで、渡航前からとても楽しみにしているようでした。
出発前日、8月7日に京成成田駅にあるホテルでオリエンテーションを行い、青島の観光名所やグルメ、青島大学などについて参加者が各自で事前に調べた内容を発表し合いました。今回のオリエンテーションには、第1期生と第2期生の代表者2名も参加し、参加者先輩として質問に答えたり、アドバイスをしてもらいました。
8月8日、青島国際空港に到着、現地の先生2名の出迎えを受け、先生方は青島大学のキャンパス内を案内し、歓迎会を開いてくれました。
現地の先生方は日本語と英語が堪能で点参加者との交流はとてもスムーズでした。
研修中の10日間に先生方やボランティアの学生たちが参加者たちと毎日、一緒に食事をしたり、授業を受けたり、一緒に観光したりして、いろいろとお世話してくれました。
国の壁を越えて、チーム全体はまるで家族のようになり、互いにニックネームを呼び合うようになり、とてもアットホームな雰囲気でした。
青島との別れを惜しむ参加者たち
青島は第一次世界大戦以降、ドイツより日本に移った時期もあるのは有名ですが、現在では、一面が大陸と接し、三面が海に囲まれ、夏は暑すぎず、冬は寒すぎず、中国国内で快適に暮らせる都市ランキング5位に入っています。また2008年の北京オリンピックではヨット競技が開催され、その後、試合会場はセーリングの訓練基地及び観光名所にもなりました。ドイツの影響下の青島ビールは日本でも有名で、今回も未成年参加者たちには残念でしたが、成人参加者には大好評でした。
青島に滞在した最終日、すでに家族のようになった参加者の皆さんと現地の先生たち一緒に卒業式に参加しました。「まだ一緒にいたい」と名残を惜しんでいました。参加者たちが、自分が体験した中国のいいところをもっと周りの人に発信しようと決めました。
8月17日午後19時半頃、10日間のHSK奨学金短期留学を終えて、参加者12名及び引率者1名が無事に成田空港に着きました。最後に集合写真を撮り、解散しました。
「参加してよかった」という参加者の声
●参加者の中国への渡航歴・思いは様々だと思いますが、新しい中国を発見できる留学になると思います。実際に行ってみると、思った以上に日本に関心があり、日本を好きな中国人に出会えます。現地で出会った人たちに、日本人として真摯に接することと、世界市民として絆を結んでいくことを意識すれば、日中友好そして世界平和を感じられる留学になるはずです。
お世話になった人に渡すちょっとしたお土産やレターセットを持っていくのがおすすめです。日本との違いに驚くこともあるかもしれませんが、この留学は、日本の当たり前が中国や他の外国では当たり前ではないこと、違いを楽しむことを学ぶ貴重な機会になります。(創価大学/3級 296点)
●日数としては短いプログラムですが、確実に自分に影響を与えてくれるプログラムだと思います。大学の寮に入り、中国の学生の現状を体験することができるからこそ、たくさんの思考が生まれ、自分を見つめ直すことができると思います。私自身、海外旅行が初めてでたくさんカルチャーショックを受けたのですが、同時に自分の進路や研究についてたくさん考え直すことができました。また、参加者のバックグラウンドはそれぞれ異なりますが、出会って10日とは思えないほど仲のいい友人もできました。招待されるだけの資格があるのですから、ぜひ参加すべきです。中国の生活、文化を体験するでもよし、自分の中国語スキルを磨くもよし、このプログラムの良いところは自分の好きなように10日間の目標をデザインできるところです。(東京女子大学/3級 261点)
●自分は第二外国語の勉強から中国語を勉強し始め、その過程でHSKという試験を知りました。HSKはコミュニケーションを重視した試験で、中検より有用だと考えた結果、大学1年次から受検してきましたが、同年代では受検している人は少なく、中国語に関して情報交換できる人はいませんでした。今回の短期留学を通して、その情報交換の確固たるコミュニティが出来たと思います。この短期留学は外国に赴き勉強することだけが目的ではなく、コミュニティを確立する意味も含まれていると思います。自分は現地の人と会話をするのも初めてで、不安、緊張でいっぱいでしたが、自分でも何とか大丈夫だったので、海外渡航が初めての人でも大丈夫だと思います。また、海外の様子を見る一つのきっかけにしてもらえればと思います。(中央大学/3級293点)
●このプログラムでは、中国語の授業・文化体験・観光など様々な活動を通して、中国の言葉・文化はもちろんのこと、中国人の温かみ・優しさを肌で感じることができました。
参加する前は、「人とうまく付き合えなかったどうしよう」とか「中国語がうまく話せなかったらどうしよう」とかいろいろ心配していましたが、蓋を開けてみれば全然そんな心配はいらなくて、メンバーはみんな「中国が好き」、「中国語がうまくなりたい」という同じ気持ちを持っているので、初日からみんなと仲良くなることができたし、流暢とは言えない中国語でも中国人とコミュニケーションを取ろうとするみんなの姿勢に圧倒されました。この11日間で得られたことは私の想像を越えるものになり、これからの人生にとって絶対プラスになることでしょう。この短期留学に少しでも参加してみたいな、と思った人はぜひ勇気をもって参加してみてほしいと思います。(慶應義塾大学/5級249点)